「2021年10月に発生した六十谷水管橋崩落 調査報告会」
人口減少条件下におけるインフラの維持管理は、その種類を問わず容易ではないが、我が国が世界に先んじて取り組まざるを得ない課題でもある.水道施設においても、令和元年施行の改正水道法では、その目的が「水道の計画的な整備」から「水道の基盤の強化」に変更され、これまで築き上げたシステムの維持と強化に重点が置かれることとなった。
このような状況下で起きた六十谷水管橋の崩落事故により我々は、バックアップルートの確保が難しい水管橋の特殊性と重要性、そして水道システム全体のより合理的かつ効果的な点検・維持管理手法の必要性を強く再認識することとなった。
この手法の確立への道のりは険しいものであるが、今後のライフラインの永続的な提供のきっかけとしたい。
開催日時 | 2022年9月14日(水)10:00-12:00 |
会場 | 京都国際会館 Main Hall(1,840席) |
定員 | 1,000名(先着順) 別途、入場登録が必要 |
配信 | 録画を後日配信(詳細未定) |
CPD | 認定番号:JSCE22-0789,CPD単位:2.0 |
プログラム ※最後に質疑応答の時間を設けています
挨拶 | 里深好文 (土木学会関西支部 副支部長) |
供給社会インフラの概要と水管橋の現状 | 越後信哉 (京都大学大学院地球環境学堂 教授) |
六十谷水管橋崩落事故の概要と腐食損傷 | 北根安雄 (京都大学大学院工学研究科 准教授) |
六十谷水管橋における腐食環境と残存防食性能 | 冨山禎仁 (国立研究開発法人土木研究所先端材料資源研究センター 上席研究員) |
六十谷水管橋の崩壊シナリオの検討結果 | 大城雄希 (明石工業高等専門学校都市システム工学科 助教) |
レジリエントな水管橋に向けての課題 | 杉浦邦征 (京都大学大学院工学研究科 教授) |
司会 | 永谷秀樹 (宮地エンジニアリング(株)技術本部技術開発部 技術開発グループリーダー) |
登壇者紹介
越後 信哉 ECHIGO Shinya 京都大学 大学院地球環境学堂 教授 1995年京都大学 工学部衛生工学科卒業。2002年イリノイ大学博士課程を修了後,京都大学大学院工学研究科助手、同准教授、国立保健医療科学院上席主任研究官等を経て2021年より現職。専門分野は、水質化学。特に、水道水中の微量汚染物質の分析・制御に関する研究に従事している。 | |
北根 安雄 KITANE Yasuo 京都大学 大学院工学研究科社会基盤工学専攻 准教授 1994年京都大学卒業。2003年ニューヨーク州立大学バッファロー校博士課程を修了後、2006年までボストンにある構造コンサルティング会社に勤務。名古屋大学助教、准教授を経て、2019年より現職。専門分野は、構造工学。特に、鋼構造物の維持管理やFRP材料の構造部材への適用に関する研究を行っている。 | |
冨山 禎仁 TOMIYAMA Tomonori (国研)土木研究所 先端材料資源研究センター(iMaRRC) 上席研究員 2002年東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了。2003年(独)土木研究所に入所。以来、各種建設用新材料とその評価方法に関する調査・研究に従事し、現在に至る。専門は土木鋼構造物の腐食対策技術、高分子系建設材料の耐久性評価など。 | |
大城 雄希 OSHIRO Yuki 明石工業高等専門学校 都市システム工学科 助教 2017年熊本大学工学部社会環境工学科卒業後,京都大学大学院地球環境学舎修了、同大学院工学研究科博士後期課程に進学後退学し、2022年4月に現職に至る。専門分野は鋼橋の耐震性能や有限要素解析を用いた構造設計に関する研究である。 | |
杉浦 邦征 SUGIURA Kunitomo 京都大学 大学院工学研究科都市社会工学専攻 教授 1982年名古屋大学工学部土木工学科卒業。1988年ニューヨーク州立大学バッファロー校Ph.D課程修了後、京都大学工学部土木工学科助手、同助教授、2006年京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻教授。2022年より現職。専門分野は、鋼構造・複合構造。特に、構造物の耐荷性能・耐久性能の評価、状態診断と機能回復、先端材料の土木構造物への適用に関する研究に従事している。 | |
永谷 秀樹 NAGATANI Hideki 宮地エンジニアリング(株) 技術本部技術開発部 技術開発グループリーダー 1992年信州大学大学院工学研究科修士課程修了、同年、信州大学工学部土木工学科助手として勤務。翌1993年宮地エンジニアリング(株)に入社。主に高速道路の鋼橋の詳細設計業務に従事。現在、京都大学杉浦教授にご指導を頂き、鋼橋の冗長性およびモニタリングに関する研究開発を行っている。 |